住宅ローンを夫婦(収入合算)で借りるときの注意点

う~ん…

どうしたの?山田くん

あっ、美穂さん…
僕が担当しているお客さんの住宅ローンを申し込んだんですが、減額されて希望額に届かなかったんです…

提案したプランをすごく気に入っていただいてたので何とかできないかなと思って…

なるほど
住宅ローンの申込みはご主人さん単独で申し込んだの?

はい

奥さんは働いていらっしゃるの?

はい
お子さんがいらっしゃらないということで正社員としてバリバリ働いてます

じゃあ、収入合算という方法もあるわね

収入合算?

そう
ご主人さまと奥さまの収入を合算して住宅ローンに申込むことで借入額を増加させるの

そんなことができるんですか!?

ええ
そして、この収入合算には主に「連帯保証」「連帯債務」「ペアローン」といった3つの契約形態があるの

それぞれの形態について説明するわ

連帯保証

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収入合算者(上のケースでいくと奥さま)は連帯保証人となるの

この連帯保証人は主債務者が返済を滞らせた場合の債権者に対して先に主債務者に催告することを請求できる権利(催告の抗弁権)および、主債務者の財産に執行をなすまで自己の保証債務の履行を拒む権利(検索の抗弁権)はなし

ん!?ってことは…
債権者からいきなり支払いを求められることがあるってことですか?

そうね
事実上「債務者」とほぼ同等の義務を負っているからそうなるわね

ひえぇ~

登記に関しては基本的に主債務者の単独名義となることがほとんどで、持ち分を保有する必要はなし

ただ、場合によっては収入合算者も持ち分を保有して共有名義にしないといけないことがあるから、ここは住宅ローン申込先金融機関への確認を必ずすること

はい

注意点としては「団体信用生命保険の適用がない」「住宅ローン控除が受けられない」といった点と主債務者と連帯保証人は同居が原則となっているの

連帯保証については以上のことを最低限頭に入れておいてね

はい…(いきなりややこしいなあ…)

じゃあ次に連帯債務について

連帯債務

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特徴としては申し込んだ住宅ローンの債務全額を夫婦それぞれが全て負うといった形になるってことなの

それそれがローン全額を…
主債務者が単独で申し込んだときの上限から増額した分だけの債務を負うというのではないんですね

そうね
ただこの場合、夫婦それぞれ所有権(持ち分)を持つことになるから住宅ローン控除をそれぞれで受けることができるようになるの

連帯債務になるとそういったことが可能になるんですね

ええ
でも、この連帯債務は借入額全体を債務として負っても団体信用生命保険主債務者にしか適用されないの

えっ!?それってつまり…

ご主人さま(主債務者)に万が一のことがあった場合はローン残債が保険で完済できるけど、奥さま(連帯債務者)に万が一のことがあった場合、残債はそのまま残るってことなの

ということですよね…

それともうひとつ気をつけなければいけないのが、さっき話しに出た「持ち分」なんだけど、多くの場合は住宅購入資金の負担割合所有権の持分割合をそろえることが多いの

購入資金の負担割合と所有権の持分割合ですか…

そう
例えば、マイホームを取得するのに頭金と住宅ローンを含めて、夫の負担額が3千万円で妻が1千万円であるなら所有権の持分登記は夫が75%で妻が25%にする

ここまでは分かる?

はい、なんとか…

しっかりついてきてよ
もし、上記の負担割合(75%と25%)で持分登記は2分の1づつとした場合どのようなことが考えられる?

えっ…あ、あのぉ…
全然分かりません…

まあ、そうよね…わたしの振り方が悪かったわ…
この場合、妻の負担額と持分登記の差額が1千万円になるの

これは分かるわね

はい、ここは大丈夫です

で、この差額の1千万円が夫から妻への贈与とみなされてしまい課税の対象となってしまう可能性があるってことなの

連帯債務だからって単純に持分割合を2分の1にしない方がいいということですね

そうね
基本的には全体の負担割合を事前に確認しておいて、それを持分割合に反映させる形がいいわね

連帯債務については以上ね
はい、次はペアローンについて説明するわよ

美穂さん…もう、脳みそが…

なに言ってんの!最後まで一気にいくわよ

…はい

ペアローン

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これは申込人それぞれが借入れに対して主債務者になるローンなの

それぞれで住宅ローン契約をするっていうことですか?

そうね

ということは
夫婦の場合なら、それぞれ団信に加入しないといけないということになるんですか?

おっ、いいとこに気づいたわね
例えば、夫が3千万円、妻が1千万円の借入れをした場合、その金額に応じた団信が適用されるってこと

なるほど

ただこの場合、夫と妻がそれぞれ住宅ローンを契約している形になるから、仮に夫に万が一があったら夫が契約している住宅ローンに関してのみ団信で清算されて妻が契約した分の返済は続けなければいけないの

それぞれが契約しているということはそうなりますよね…

そうね
それに住宅ローンを2本契約するということは事務手数料や印紙代などがそれぞれにかかってきて…

通常の2倍になる

そういうこと
その点は少しデメリットになるかもしれないわね

ただ、住宅ローン控除はそれぞれの借入分受けることができるメリットはあるわね

以上が「連帯保証」「連帯債務」「ペアローン」の基本的な内容よ

だいたい全体像はつかめました

結婚(入籍)前の収入合算

美穂さん
ちょっと疑問に思ったんですけど…

なに?

例えば
「新婚生活はマイホームで」と考えているとした場合、ローンの申込みは結婚(入籍)前になりますよね

そういう状況で収入合算ってできるものなんですか?

へぇ~
山田くんってそんな理想を持ってるんだ

あっ、い、いえ…
フッと疑問に思っただけで…

それより美穂さんはいつ…

なに?なんか言った?

あっ、いえ…
なにもないです…

まあいいわ
結婚(入籍)前収入合算による住宅ローンの申込みってことね

はい…

以前、わたしが担当したお客さまでそういったケースがあったの

そうなんですか

それは新築の戸建てじゃなくて中古マンションをリノベーションしてっていうものだったんだけど

それって中古マンションの購入費用とリノベーション費用を借りたんですか?

そうね
最初は旦那さん単独でローンを組む予定にしていたんだけど借入希望額に若干届かなかったということで、それなら収入合算でということで話を進めたの

なるほど

ただね
結婚(入籍)前ということで、その点を金融機関がどう捉えるかっていう不安要素はあったわ

そうですよね

夫婦の収入合算って同居が原則だから融資実行前に入籍しておくことが条件になっていたりする金融機関もあるのね

金融機関からすればその方が安心ですもんね

金融機関によっては同居を条件とすることで入籍条件を問わないところもあったりするの

へぇ~
金融機関によってスタンスがバラバラなんですね

そうね
で、その時は「決済後(所有権移転登記完了後)2人の住民票をマンションの住所へ移動すること」

これを条件に住宅ローンがOKになったの

それだけでよかったんですか?

ええ
ただね、奥さまの苗字が住宅ローン契約時と変わるということで結婚(入籍)後に金融機関や保証会社との書類のやりとりはあったけどね

そういうケースもあるんですね

結婚前に収入合算して住宅ローンを申込むときもそうだけど、夫婦で住宅ローンを借りる際は申込みを予定している金融機関へしっかり確認することが大事ね

どうしても自分で動けないという場合はハウスメーカーの営業マンや不動産業者、FPにその旨をしっかり伝えて金融機関と交渉してもらうという手もあるわ

なるほど!
夫婦で借りるとしても事前にいろいろと考えておかないといけないですね

子どもが生まれて奥さんが育休に入った時の返済はどうするかとか…

そうね
やっぱりマイホーム購入って人生の中でもかなり大きなイベントでもあるわけだけど、理想ばかりを追い求めずに足元もしっかり確認してより理想に近い形に持っていくことが大切になってくるわね

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